NSR80の改造手法


2006/3 一部改定
アイテム

シリンダー
 純正のシリンダーは、耐久性と自主規制値をクリアーするため、相当控えめに製造されています。と、言うことは改造すればCRなどのレーサー並にパワーを搾り出す可能性があるといえます。ただ言える事は、むやみに削ってもパワーは上がらないと言うことです。
具体的には、全体のバランスを考慮して加工することになりますが、排気ポートの高さ(排気ポートタイミング)は、出来るだけ上げずに横方向にポートを広げて排気ポートが開いた瞬間に燃焼ガスが一気に排出されるように加工します。
また排気の戻しがピストン中央に向かうようにポートの側面にカーブをつけます。
排気流速が落ちるので、出口(フランジ側)にかけて急に広がるような加工は避けなければなりません。
センターリブ(柱)のフランジ側は、尖らせずに曲面になるように削らないと排気戻しが偏ってシリンダーに戻ってしまう可能性が有ります。
掃気ポートは加工しにくいので、ベースパッキンの厚さを厚くしてシリンダー全体のタイミングを上げてしまう方法もあります。
掃気ポートを加工する場合、吹出し角と方向には特に注意が必要です。方向や角度を誤ると、最悪焼き付きやセッティングが出ないといった現象が発生します。
これは掃気の流れがそのまま排気ポートに出てしまうために起こります。
補助吸気ポート(ボイセンポート)は、吸気断面積の向上に効果があります。
現実的には8-9mmくらいだと、スタッドの穴と貫通することは無いと思われます。
補助吸気ポートの穴は、大きくしても、BIGキャブ&リードバルブを使用して全体のバランスを取らないと十分な効果が得られない可能性があります。

 

 


改造例(上)レース用ならこれくらいでOK
公道仕様はポート幅はあと4mm位狭くて良い

ノーマルシリンダー

シリンダーヘッド
 

シリンダーヘッドは、途中の年式より変更されています。
最も初期型のシリンダーヘッドが容易にパワーアップできるので改造には最適です。
新しい年式のものは、そのままでは使用できず、面研磨などの加工をする必要があります。


クランク
(腰下)
12mmのピストンピンと13mmの2種類のクランクシャフトと50ccと共通、80cc専用の

2種類のクランクベアリングがあります。いわゆる耐久性を求めるなら新しいタイプが

賢明だと思います。

ピストン&ピストンピン

ピストンは年式による性能の差は感じませんが、吸入側に穴を開けると中低速トルクUP
CRみたいにスカートの下を円く削ってもトルクUPします。
バランサー&アイドルギアー

バランサーは加工しないほうが良いですが、多少軽量の50cc用を流用することは可能です。
外すと、凄い振動で乗れません。
最悪フレーム等にクラックが入ります。
アイドルギアーは、Wギアーになっている、内側のスプリングワッシャーを1枚サンダー等で切断して取り外します。
この時ギアーに傷が入っても大丈夫です。
こうする事により、内側2枚のギアーが、フリーになりフリクションロスの低減につながりパワー&加速UPします。
クラッチアウターを外さないと出来ませんので組み付ける時の注意点は、バランサーのタイミングを合わせることです。
チェーン&スプロケ

チェーンは、レジーナの軽量の物が良いです。
RKと比べるとかなり軽いです。
Oリングだとチェーンの動きが少し硬いので、パワーUPを狙うならOリング以外のチェーンをお勧めします。

全部415サイズにしてしまえば良いのですが、スプロケットの摩耗が激しいので、性能維持に多くのお金が必要です。

オイル
2ストオイルは個人差があるので、混合仕様だと、混合専用オイルを使ってください。
メーカーは問いません。
お勧めはカストロールのA-747が良いです。
あと、徳島の南西風と言うメーカーのスクアランも良いです。
入れるだけでパワーUPします。(鮫の油?モリブデン等が入ってるらしい)
良い、オイルは強力な油膜をシリンダーピストンに作るので、磨耗性、耐久性、気密性が上がります。

ミッションオイルは、4ストのエンジンオイルを入れるのですが、4輪用のエンジンオイルは、フリクションロスを少なくする物が入っているので、クラッチが滑る事があります。

2輪用のオイルを使用してください。

プラグ



プラグも皆さん色んな物使ってると思いますが、
NGKのEGVとかが最高です。

デンソーのイリジウムはオイルが付着して失火しやすいので2サイクルには不適合です。

 



イグニッションコイル
イグニッションコイルは、良くRS125のものを流用します。

フレームアース不良で調子悪いことが多いので、アーシングは効果的です。

コイル自体の変化は劇的には感じられません。

アウターローター
アウターローターは、軽量加工するだけで、レスポンス上がります。(あたりまえ)
95以降は、試した事が無いので。
ノーマルのローターでも、点火時期の調整が出来るので、そこそこ走ります。
レスポンスだけを求めるのなら、キタコのアウターローターCDIキットがお勧め。
デイトナは、バッテリー点火なので、バッテリーが無くなるとエンジンがかからない。

*軽量化してもパワーアップはしません。


CR用のステーターをNSRのノーマルベースに取り付けた例
発電用コイルが無いため、レース専用(改造クラス)に使用可能

左、NSRノーマル 右、CR80用

CDI


経験的には旧型電装では銀ポッシュが良い!です。

新型電装でも50cc用のPOSHを付けるとかなりよいです。

 

リードバルブ
リードバルブは、以下のような特性になります。

ノーマルリード:
中間のトルクは若干落ちるが伸びきりが良好。18PS出せる容量は持っています。

CR80リード:
中間のトルクが大幅アップしますが伸びきりは悪化します。
羽が2枚で高回転で抵抗になっているのかも知れません。
4枚羽のYZ80・6枚羽のTZR250(1KT)ならさらに期待出来るような気がします。





マニホールドも、リードバルブに合った物をお勧めします。
これも、CRからの流用になります。
CRのマニにはオイル(分離給油)の穴が無いので、
当然、混合ガソリンを使ってもらわないといけません。

 



キャブレター
セッティングパーツの豊富なPWK28がお勧めです。

参考セッティング

MJ125-145
SJ42-50
バルブ3.5


ラジエター
改造すると、ノーマルではすぐ熱だれするので、交換が必要です。

現在ではNSRミニ用がベターな選択ですね。

他には250ccクラスのスクーター用が流用出来る事が多いです。

 



トランスミッション
NSRの場合交換する必要は無いと思います。

場所によっては5-6がクロスしていますのでNSR50用の方がスピードが出て
良い場合があります。

フレーム
基本的に50と同じフレームなので強度不足かと?
そこで、フレームのステムパイプの裏側を溶接&各部溶接増し。
かなり、しっかりしたフレームが出来ます。
ブレーキングも安心。
メーカーは、大量生産なので、目で見えている所しか溶接してない。
ガソリン
ベンゼン対策でどのメーカでも同じになったような??
安いガソリンはなにが混ざっているかわからないので、信頼できるスタンドで
購入しましょう。

ホイール
ダストシール
ホイールの左右に取りつけられているダストシールはそれなりに抵抗になるので、
取り外すかリップの部分を切り取るなどして抵抗を減少させます。
クラッチ
 

クラッチもCRからの流用で5枚ディスクにする事ができます。

写真を参考にして、良く考えて取り付けてみてください

パーツNoは、流用部品の項目を参照してください

 





互換性の追及

レーサー(モトクロッサーCR)に使用されている部品は、軽量であったり、ハイパワーに絶えるような容量を持っていることが多いので使用できるものは使った方が、経済的に有利だ。
下記に一覧表として記載するので、とことん流用してほしい。

CR80の使える部品一覧
部品名
パーツNO
外観
注意
クラッチアウター
22100-GC4-600


クラッチセンター
22121-GC4-730


プレッシャープレート
22350-GS2-000